女教師Aの小部屋R

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授乳スイッチの刷り込みと名付けの怖さについて『モロッコ、彼女達の朝』

行きやすい映画館での公開が終わってしまうのであわてて『モロッコ、彼女達の朝』をみた。TOHOシネマズシャンテスクリーン3。そもそもBSニュースで紹介されて知ったので公開からだいぶ時間がたってたんですよね。

 

ロッコの旧市街を舞台に臨月(だと思う)未婚の妊婦サミアと、パン屋を営むシングルマザーアブラの交流を描く物語。サミアは仕事を探していて映画冒頭で美容師の職につけるかと思ったらダメで、いきなり未婚の妊婦への風当たりの強さを描いているわけだけど、日本も大差ないなみたいなところがありますね。アブラは夫を事故で亡くしているんだけど一人娘のワルダを育てていて、パン屋には近所の人が買いに来ていてどう考えてもアブラ目当てだなっていう独身(多分)男性にはやや塩対応をしつつまあまあうまくやってる、みたいな。

 

細かい話をすっ飛ばすとサミアは子どもを産んだら養子に出すつもりでいるから名前を付けたくないし、名前を付けたら離れがたくなると思っているし、授乳し始めたら自分に母親スイッチが入ってしまうということを恐れているような印象をうけました。なんかこういう母親スイッチみたいなのって各所にあると思われてるよなーというようなことを考えながらみました。ラストはどう転ぶかわからない終わり方だけど、どっちかに決めてないのもいいのではというか。