女教師Aの小部屋R

あちこち行ったり観たり食べたり

もっと髪型に個人差がつくところでは『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』

引っ越して首都圏に戻ってきたら映画館がいっぱいありすぎて真面目にリストつくらないと見逃す作品とかありまくりでつらい*1うひーこれが嬉しい悲鳴というやつかー(棒読み)わたくし正直にいえば映画を年に数本しかみない人間だったのですが、岡山の映画環境は大変恵まれていてですね。諸々の事情を鑑みて職場近くではなく岡山駅までなんなら歩ける、くらいのしかも繁華街に住んでいたので平日に無理しなくてもレイトショーみて帰る、みたいなことができてたんですよ。そらー見るよね。

 

閑話休題

そんなわけでみてきました邦題がダサいLittle Women(2019)。若草物語の過去の映画化と区別するためとはいえ…まあ来し方を振り返る的な作りなわけだし見終わったら妥当なタイトルかもなとおもわなくもないのですがいやしかしもうちょっとなんとかならないのか(略)というのはおいておいて、原作をどこまで読んだか覚えてなくてですねー。続くらいまでは読んでるんじゃないかなあと思うんだけど、もはや三昔前のことだろうし原作の記憶はあきらめて1994年版の映画との比較になりがちで、構成で勝負だぜみたいな映画だなという印象でした。細かいフラッシュバックを挟むという手法なので原作をなんとなくでも知ってないとしんどいかもしれないけど、まあだいたい知ってるよね?という方式でいけるのがこういう話の強みでもあります。あと衣装でオスカーをとったけど、実は衣装どうかなってところが色々あります。しかし今年のオスカーは衣装部門ノミネートが地味すぎる。他になくない!?みたいな…いやいいんだけど。

 

衣装についてはこのYoutube動画が詳しいんですけど、実際に観たところ服飾史的にはけっこうアレンジが加わっています。いやアレンジはいいのです。史実に忠実なのが今の感覚でみて素敵かっつーとそうでもないこともあるし。ジョーの服装についてはけっこういいアレンジだと思ってます。

 


Why The Costumes of Little Women did NOT deserve an Oscar

 

ただメグはもっと保守的な髪型であるべきだし(ボンネットは被らなくてもいいんじゃないかと思うけど)(このチャンネル主はボンネット好きがすぎるいやわかるけど)パリに行ってからのエイミーはもっとパリの流行がごりごりに押し出されたお洒落をしているべきでは…みたいなのがぬぐえない(出発前はお下がりの服が多いはず、というのもうなずける)。マーチおばさんの付き添いでいってるわけだからエイミーもお洒落であるべきなんですよ。しかもエイミーは自分の絵の才能に見切りをつけて、社交界の華に私はなる…!(そして金持ちをゲットだぜ)なわけじゃないですか。まあ最新流行のおしゃれを身に着けるなんてレディじゃないわみたいな考え方がアメリカの社交界になくはないんですけども。映画の最後の方でメグとエイミーが着ている服が色味も素材も似てるシーンがあって、いやそこはエイミーはもうちょっとブリブリに飾りがついててもいいんじゃないのみたいな感じでした。

あと、映画冒頭でメグが夫のコートにする生地を買いにいったはずなのにドレス用のシルクを衝動買いしてしまうシーンがあって、あるあるー!というエピソードなんですけど20ヤード*2で50ドルの金額に仕立代が入っていない、というのが後で出てきます。

え?仕立ては自分でしないのメグ?

ですよ。まあメグが築きつつあるご家庭のお財布事情であれば50ドルで買うべき冬服の内訳は30ドルで夫のコート(仕立て代込み)にそうね、18ドルくらいで自分の外出着(いいウールのジャケットとスカートのセットとブラウスくらいつくれる生地がかえる)を、残りで双子の服かなあというかんじ。にしたって19世紀の婦人であればコートは縫いにくいので仕立に出すとしても自分のドレスは縫うだろうし、ミシンもある時代なのでそれくらいはできてあたりまえなんですが、その辺のツッコミは脚本にはいらなかったのだろうか…というのが一番ひっかかりました。メグにとって着るものって身の丈に合ったつつましやかなものを着るべきと頭ではわかっていても華やかなものを着ると気持ちがあがってしまうし小さいころのちょっといい暮らしを思い出させるものなのではないかと思うんですよ。なのにさああ。

とはいえ全体としては面白いのでお勧めです。メグは髪をまとめるべきだけど(しつこい)

*1:岡山にいた時はイオンシネマ岡山とシネマ・クレール丸の内をチェックしてそれでも上映かからないやつをたぐってけばよかったんですよ宝塚のライビュはTOHOシネマズ岡南にいけばよかったし

*2:18メートル