女教師Aの小部屋R

あちこち行ったり観たり食べたり

私のことを決めるのは私『ハリエット』

若草物語』の少し前、でも同じ時期の話。恥ずかしながらハリエット・タブマンについては全く予備知識なしでみました。

奴隷の母から生まれたハリエットは自由黒人の夫との間に子どもをつくろうと思って、今の状態だと子どもも奴隷になってしまうのでハリエットも自由黒人になりたいと証拠の書類をもって主人にかけあうところからはじまるわけです*1。で、それを悪意たっぷりに一笑に付した主人が死んで借金のかたに売られることになることになったハリエットは奴隷制を廃止しているペンシルバニア州に逃げることを決めて、うまいこと逃げのびます。しかしこれメリーランドだからできることであって、例えばジョージア州とかだったら無理では…?

それはおいておいて、マリーとのやりとりが大変に個人的には興味深かったのですが、実在しない人物らしいと知ってちぇって思っています…奴隷出身と自由黒人ではこうも意識の差があるのかきちっとかかれていて、マリーがハリエットに風呂をすすめるところで自由黒人ぽい無神経さを自分が発揮していたのに気づいて謝罪するシーンが印象的でした。基本的にハリエットもマリーも自分のことは自分で決めるというスタンスで、同じ自由黒人で地下鉄道の指導者的立ち位置にいるウィリアムと必要以上に関わらないのがかっこよさにつながっているのではないかと。ウィリアムがけっこうマンスプレイニングしぐさを繰り出しがちなのも「ああーありそう」みたいな。あと私はジャネール・モネイの顔が好き(わあ台無し)

とはいえ北部に逃げ延びてからのハリエットの活動を描くシーンはアクション映画っぽく、モーセになぞらえられるのも納得なのと、歌で彼女がきたのがわかるのがよりアクション映画ぽさを演出してる。ここで使われているゴスペルがいくつかあるんだけど、ヅカオタ的になじみがあるのは「シナーマン」なんですよね。だけどあれの元の意味を考えるとショーで使うのどうなの、みたいな気持ちになります。私はもともと中高がミッション系の学校だったのでずっとやってた部活が聖歌隊なんですけど、けっこうゴスペルをやってたんですよ。聖歌研究ていうのが部活の一環であって、曲の背景とか意味とかを考えるみたいなやつがあって、やればやるほど自分の中で落としどころがみえなくなる、みたいな。なので今でも宝塚のショーでゴスペルとか出てくると(ゴスペルじゃなくても)ちょっとそれはどうだろう、みたいな気持ちになります。

ところでサントラみたら入ってない曲がそこそこあるな…ていうのが気になってサントラを買うのは保留中です。

*1:すごいよね自由黒人ていう言葉自体が