女教師Aの小部屋R

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ミシンがないならボンドでマスクを組み立てればいいじゃないの:布ボンドでつくるHKマスク

ごきげんよう。職場がかわったものの、着任早々授業開始が延期になって上司に「というわけで1ヶ月くらい授業開始延期になりました。とりあえず在宅勤務らしいよ私たち(意訳)」といわれましたわあびっくり。とはいえ別に教職員は校内にいてもいいらしい。えー。教員はだいたい研究室とかにいるのでソーシャルディスタンスも保ちやすいですしね…しかし職員室に全員集合なとことかどうするんだろ。
そんなわけでたまたまネットで見かけたHKマスクなるものを作ったりしています。
開発の経緯などはこちらに詳しく掲載されています。
project.nikkeibp.co.jp

日本語で作り方を解説したサイトはこちら
www.mask-for-all.com

んで、これをFBやツイッターで紹介した時に出てきた声(エアリプをかってに拾ったものも含む)は以下のようなものでした

  • とはいえミシンがない人はどうすれば
  • ボタン付けなおし用に針と糸くらいはあるけど手縫いで縫えるとは思えない
  • 作り方動画(YouTubeにあがっているもの)だとすいすい縫えてるけどああ縫えるとは思えない
  • そもそも型紙のどこを切ればいいのかわからない

わ、わかるー。三つ目についてはHKマスクの型紙として出ているものが縫い代付きの型紙なので、切ったところから1㎝のところを折って縫うので職業用ミシンを使うのであれば折ったりまち針うったりしなくてもいいのです…とはいえプロ仕様の動画ですね。うんわかる。実際にご家庭でやるんならアイロンで折ってまち針なりクリップなり使うほうが安心して縫えると思います。ミシン出すのめんどくさい人は頑張ってミシン出しましょうあれは文明の利器だと思います。今まで手縫いでしか縫えなかったのがミシンの製品化・普及によりスカートの裾の長さがいくらでもひろげられる…!て感じでクリノリンはでかくなったんだなあとしみじみ思いますもん。

というのはおいといて、針と糸とか学校の家庭科の授業で持って以来とかそもそも持ったことない*1人にも平等にマスク不足はふりかかるわけですいやほんとにふりかかるかわからんけど。とはいえ政府から支給されるというマスクはあんまりに前時代的では…昭和?むしろ明治?ということで裁縫スキル皆無でもどうにか自分で使う分のマスクは自分で調達してみようかな、という方のためにボンドで組み立てられるかどうか試行錯誤していました。ある程度いけそうかつ解説ツイートで挑戦してくださった方がつくれたとお知らせくださったので記事として公開します。あとで図をつけますがとりいそぎ文字のみで。

必要なものは以下の通り。Mサイズ(女性用)で表記しています。★は絶対に必要なもの、ついてないものはあるといいよってものです。

まず材料

  • 型紙(HKマスクのサイトからダウンロードして印刷してください)できれば2枚★

HK Mask paper pattern - Google ドライブ

  • 布地2枚:表布と裏布にお好きなものを1枚ずつ。綿がいいですが、ちょっとポリエステルが入ってるT/Cブロードとかでもいいし、これからの季節にはリネンもOKだと思います。実はガーゼでなくてもいい。理由は後述★
  • ゴム:3㎜くらいのを16㎝を2本。なければタイツとかストッキングを1㎝幅に輪切りにするとかTシャツの生地を1㎝幅に切ったものをもう少し長めに用意★
  • ノーズワイヤー:10㎝を1本。テクノロートという可塑性プラスチックがおすすめなのですが、なければ使い終わった使い捨てマスクから抜いても。ゴムも同じように使い捨てマスクから再利用して大丈夫です★

必要な道具とか

  • 裁縫上手(布用ボンド)スティックタイプが扱いやすいのですが、近所にセリアがあれば布用ボンドと称して売られているものでもOK(中身は同じです)★
  • アイロンとアイロン台★
  • 布を切る用のハサミ:できれば裁ちばさみ。ロータリーカッターとマットでもOK★
  • 紙を切るハサミ:普段お使いのものを。裁ちばさみで紙を切るのはNGです★
  • まち針:3本くらい。なかったら安全ピンとか裁縫用のクリップでもいいんじゃないかと思います。要は紙が布にとまればいいので★
  • あて布に使う適当な布かコピー用紙1枚。ハンカチとかそれくらいの大きさで大丈夫です。ボンドがアイロン台やアイロンにつかないようにするため
  • とりあえずやってみる気持ち★

作り方

材料の切り出し、組み立てに分けて解説します。

材料の切り出し

0)できれば水通しします。洗面台とかに水をため、布をつけます。5分くらいおいて引き上げ、絞って皺を伸ばして干します。ハンカチを干すときに斜めにひっぱると正方形のはずの布がゆがむじゃないですか。あれをやらないようにたてよこの糸がちゃんと直角になるイメージで整えます。乾くまでまてないわーという人はアイロンをかけて乾かします。アイロンは中温~高温で。つまみいっぱいまでアイロンの温度調節を回すと綿は焦げるので注意してください。自然乾燥した場合もアイロンをかけておきます。皺がない布の方が特に布を切る時に扱いやすいためです。

1)型紙を切ります。表布と裏布で大きさがちょっと違うので、まず両方一番外側の実線で切ります。一枚は裏布用に上の角を太い破線で切ります。表布用の型紙はnotch holeとかいてある線に頂点がくるように3mmくらいの▽の切り込みを入れておきます。
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私が使用している型紙。表布用と裏布用をつくっておきます。勢い余って裏のノッチホール(notch hole)にも切り込み入ってますが、いらないです。

2)布を中表におります。中表というのは布の表同士がくっつくように布を二つ折りにすることをいいます。布の表裏を見分ける方法ですが、見たかんじ綺麗な方が表です。柄があるものは柄がはっきり見える方が表。布の端(みみとよばれてるほつれない部分)に文字がプリントされてる場合は文字が読める方が表。ですが、ぶっちゃけ裏表逆にしたところでマスクの面積ごときでは仕上がりがどうということもないのでこっちが表!て決めた方が表でいいです。表布と裏布とそれぞれを二つ折りにして二枚重なった状態にします。

3)表布に表布用の型紙をのせます。型紙の矢印が気になる人は、その矢印が布のたて方向と平行にしてください(何それと思った人はあまり気にしにせず文字が読める向きで型紙を置いください)型紙と布2枚を待ち針でとめます。最低でも上の角2つと下の端をとめるとずれないです。

4)型紙の線ぎりぎりで布を切ります。ぎりぎりだと紙を切りそうだわーと思う人は、ハサミの刃の真上から見て切るとうまくいくんじゃないかと思います。右利きの人は左側に常に型紙がある状態で切るとやりやすいです(左利きは多分逆。多分)

5)ぐるっと一周切れたら、notch holeとかいてあったところの布に2mmの切り込みをいれます。型紙に▽の切り込みがあるのでそれを目印にします。これは表布にワイヤーを入れる時にここまでワイヤーをいれるよ、という印になりますので表布だけにいれます。

6)まち針を外して型紙を布から外します。布は2枚重ねたままにしておきます(これ大事)

7)裏布も同様に裏布用の型紙をおいて切ります。

8)マスクのゴム、ワイヤーを指定の長さに切っておきます。

組み立て

1)表布のカーブしているところ(中央ライン)の布を一枚めくり、下の布(表が見えているはずです)のカーブしているラインに9㎜の幅でボンドを塗ります。9㎜って中途半端なことをいっているのはなぜかというと、縫い代が1㎝で設計されているのですがボンドを縫って圧着した時にだいたい1㎝幅で接着できるだろうという目論見です。線とか引かなくていいので、横に定規をおいておいてだいたい9㎜ってこれくらいだなというのを確認して一定の幅で塗ります。

2)めくった布を戻し、ボンドを塗った部分をぎゅっとおさえます。スティックタイプだとあんまりないんですが、液体の場合は染み出ることがあるので注意してください。

3)乾いたかな?というとこで中温のアイロンの先でおさえたところにアイロンをかけます。裁縫上手は圧着したら24時間待てと説明書にはかいてあるのですが、アイロンをかけることで時間を短縮できるのでそうしています。アイロンをかけたらすぐに動かさずに、触っても大丈夫なくらいに冷ましてから次の作業にいってください。

4)カーブした部分を1㎝の幅で谷折りします。この時布は型紙を表に置いた向きと同じにしてください。折る時はアイロンの先の部分を使うとやりやすいです。折った部分の皺が気になる人はボンドを塗った箇所を7㎜くらいに切り落としても構いません。

5)二枚重なっていた布を開きます。4で谷折りにした線まで布を開いてアイロンで形を整えます。

6)開いた表布の裏が見えるようにアイロン台に置き、上辺と下辺を1㎝の幅でアイロンで谷折りにします。いきなりアイロンでやるのが難しい場合は机に置いて紙を折るように折ってから、折り目をきっちりつける感じでアイロンでおさえます。

7)谷折りにした部分をボンドではります。上辺の真ん中にはワイヤーを挟み入れます。ワイヤーを指定の長さに切っていれば、2つの切り込みの間にワイヤーがおさまるはずです。ワイヤーが入る部分はたっぷり目にボンドを塗っておいた方が良さそうです。

8)表布を表が見えるように置き、両側の端にゴムを置きます。ゴムの輪が内側に向かい合うように端をボンドでとめます。ここもボンドはたっぷりめに塗っておきます。少しくらいなら針と糸を使ってもいい、という人は表布とゴムを縫ってとめた方が安心感があります*2

9)裏布を同じように組み立てます。4で縫い代を谷折りにするときは表布と同じ向きに布を置いて折ってください。ワイヤーは入れずに7まで行います。

10)表布を表が上になるように置き(ゴムがみえる状態になってるはず)両側に9mm幅にボンドを塗ります。中表になるように裏布をのせ(裏がみえる状態で)布の両側を揃えてくっつけます。この時大きさがあわない印象があると思いますが(そもそも裏布の方が小さいので)両側の布の端が揃えば大丈夫です。

12)ボンドを塗ってくっつけた箇所をアイロンで谷折りにします

13)布を表にひっくりかえします。両側にゴムがでてくれば正解です。

14)両端をきっちり折りたいのでアイロンで整えて、内側をボンドで細くとめます

15)下の辺の中央付近をめくり、下の辺を1.2cmはりあわせます。間に挟んだフィルターがここでとまるイメージです

これで出来上がりです!
読んでもわからない人は図の追加をまつか、諦めて得意そうな人にお願いをして対価を払って(重要)つくってもらいましょう。

運用について

出来上がったので洗って干し、アイロンを中温でかけてフィルターを入れて装着します。帰宅後手を洗うついでに石鹸で洗い、形を整えて干しておけば一晩で十分にかわくのでアイロンで以下同文です。

素材について

HKマスクは布2枚の間にフィルターとしてキッチンペーパーや紙ナプキン*3を挟むことでフィルタリング機能を向上させているので、ガーゼをいっぱい重ねる必要はないのではないかと思います。なのでダブルガーゼ売ってないなら晒とか薄手のシーチングとかでいいんじゃないかなーと。あとガーゼってへにゃへにゃしてミシンで縫う時につれて縫いにくいと思う…。

*1:年代によってはありえますよね

*2:一番力がかかる場所なので、抜けたりします…

*3:ティッシュと称してますが香港のティッシュは分厚くて紙ナプキンみたいなものなので…